障害支援区分は、障害福祉サービスを利用するために欠かせない認定制度です。区分1〜6の6段階があり、数字が大きいほど支援の必要度が高くなります。精神保健福祉士として申請に同席してきた経験から、制度の仕組みと手続きの流れを詳しく解説します。
「自分の区分はいくつになるのか」「区分がないとサービスを利用できないのか」と不安を感じる方も少なくありません。まずは正確な知識を身につけることが、次の一歩につながります。
結論からお伝えすると、障害支援区分は「申請→認定調査→一次判定→審査会→支給決定」の流れで決まります。申請から受給者証の受け取りまで、おおむね2〜3か月かかります。
就労継続支援B型など多くのサービスには区分が必要ですが、条件によっては非該当でも利用できる場合があります。一人で抱え込まず、支援者とともに進めることが大切です。
障害支援区分とは何か
障害支援区分は、障害のある方が日常生活や社会生活においてどれほどの支援を必要としているかを示す指標です。2013年に施行された障害者総合支援法によって、従来の「障害程度区分」から改称・改定されました。
障害の「種類や重さ」そのものを評価するのではなく、「支援の必要度」を測るのが特徴です。同じ診断名でも、生活環境や症状の波によって区分は異なります。
精神障害・知的障害・身体障害・難病の方が対象で、どの障害種別でも同じ基準で審査されます。障害者手帳の有無とは直接関係がなく、障害支援区分の認定は手帳とは別の独立した手続きです。
障害支援区分の6段階一覧
障害支援区分は「非該当」と「区分1〜6」の7段階に分類されます。下の表で各区分の特徴と、利用できる主なサービスをご確認ください。
| 区分 | 支援の必要度 | 利用できる主なサービス |
|---|---|---|
| 非該当 | 支援の必要度が基準以下 | 就労継続支援B型(条件あり)・相談支援 |
| 区分1 | ごくわずかな支援が必要 | 就労継続支援B型・就労移行支援・生活訓練 |
| 区分2 | 部分的な支援が必要 | 共同生活援助(グループホーム)・居宅介護 |
| 区分3 | 中程度の支援が必要 | 短期入所・行動援護 |
| 区分4 | やや高い支援が必要 | 同行援護・重度訪問介護(一部) |
| 区分5 | 高い支援が必要 | 重度訪問介護 |
| 区分6 | 最も高い支援が必要 | 重度障害者等包括支援・重度訪問介護 |
精神障害のある方は、区分1〜3に認定されるケースが多い傾向にあります。ただし症状の波が大きい方は、実際の困難が区分に反映されにくいことがあります。主治医の意見書や認定調査での特記事項が重要な役割を果たします。
障害支援区分の申請手順
申請は、お住まいの市区町村の障害福祉担当窓口で行います。次のステップで手続きを進めましょう。
- 申請書の提出:窓口で申請書・本人確認書類・印鑑を持参します。
- 認定調査の日程調整:市区町村から連絡があり、訪問日を決めます。
- 主治医の意見書:市区町村から主治医へ直接送付されます(自己負担なし)。
- 認定調査の実施:調査員が自宅や事業所を訪問し、80項目の聞き取りを行います。
- 一次判定・審査会:コンピューター判定と審査会による二次判定が行われます。
- 支給決定・受給者証の発行:結果が通知され、受給者証が発行されます。
申請には医師の診断書が必要な場合があります。事前に窓口に確認しておくとスムーズです。制度の詳細については厚生労働省の障害福祉サービスのページもご参照ください。
認定調査で押さえるべきポイント
認定調査は80項目にわたる聞き取り調査です。主な評価項目は以下のとおりです。
- 食事・入浴・着替えなどの日常生活動作(ADL)
- 行動障害・精神症状の有無と頻度
- 服薬の管理・通院頻度などの医療状況
- コミュニケーション能力と意思疎通の難しさ
- 金銭管理・外出・人間関係などの社会生活スキル
精神障害のある方は、症状に波があることが大きな特徴です。調子の良い日だけでなく、悪い日の状況も正直に伝えることが重要です。
調査当日は「いつもより調子が良い」場合もあります。普段の困り事を記録したメモを用意し、支援者からの情報提供も活用しましょう。精神保健福祉士や相談支援専門員に同席を依頼することもできます。
一次判定と審査会(二次判定)の違い
認定調査の結果をもとに、まずコンピューターが「一次判定」を行います。これは80項目をデータ処理した機械的な数値です。
次に「障害支援区分認定審査会」(市町村審査会)が開かれ、一次判定の結果・調査票の特記事項・主治医の意見書を総合的に判断する「二次判定」が行われます。最終的な区分はここで決まります。
精神障害では、症状が80項目に数値として表れにくい場合があります。そのため特記事項の内容が審査会での評価に大きく影響します。支援者が同席して日常の困難を具体的に伝えることが、区分の適正化につながります。
支給決定と受給者証の仕組み
審査会の判定を受けて、市区町村が「支給決定」を行います。支給決定の通知とともに受給者証が発行されます。
受給者証には次の内容が記載されます。
- 認定された障害支援区分
- 利用できるサービスの種類と支給量
- 有効期間(原則3年)
支給決定の内容に納得できない場合は、都道府県への「審査請求」が可能です。状態が大きく変化した場合には有効期間中でも変更申請ができます。更新手続きは有効期間終了の3か月前から始められます。
就労継続支援B型と障害支援区分の関係
就労継続支援B型の利用には、原則として障害支援区分の認定(区分1以上)が必要です。しかし障害者総合支援法の規定により、非該当(区分なし)でも利用できるケースがあります。
非該当でもB型を利用できる主なケースを以下に示します。
- 就労経験があり、年齢・心身の状態から一般就労が困難と認められる方
- 就労移行支援を利用したが、一般就労への移行が難しいと判断された方
- 50歳以上の方
- 障害基礎年金1級を受給している方
「区分がないから通えない」と思い込まず、まずは事業所や計画相談支援の専門員にご相談ください。B型と就労移行支援の比較は就労継続支援B型と就労移行支援の違いもあわせてご覧ください。
よくある質問
Q. 障害支援区分の有効期間が切れたらどうなりますか?
有効期間が切れる前に更新申請が必要です。期限は通常3年で、終了の3か月前から手続きできます。期限を過ぎるとサービスが一時停止する可能性があるため、早めの更新をおすすめします。
Q. 精神障害の場合、認定調査で気をつけることは何ですか?
症状の波を正確に伝えることが重要です。「調子が悪い時にはどんな困難があるか」を具体的に伝えられるよう、事前にメモを準備しておきましょう。精神保健福祉士や支援員への同席依頼も有効です。
Q. 障害者手帳がないと申請できませんか?
障害者手帳がなくても申請できます。障害支援区分の認定は手帳とは別の手続きです。ただし医師の診断を受けていることが前提となります。詳しくはお住まいの市区町村窓口にお問い合わせください。
Q. 不服がある場合はどうすればよいですか?
認定された区分に異議がある場合は、都道府県の審査請求制度を利用できます。結果通知を受け取ってから3か月以内に申立てが必要です。相談支援専門員に相談しながら進めることをおすすめします。
琉仁福祉会の就労継続支援B型をご利用の方へ
NPO法人琉仁福祉会は、沖縄県沖縄市と埼玉県で就労継続支援B型を運営しています。障害支援区分の申請から利用開始まで、精神保健福祉士のスタッフが丁寧にサポートします。
「区分がなくて不安」「手続きの仕方がわからない」という方も、まずはお気軽にご相談ください。
まとめ
障害支援区分は、障害福祉サービスを利用するための基本的な認定制度です。「申請→認定調査→審査会→支給決定」の流れで進み、受給者証の受け取りまでおおむね2〜3か月かかります。
区分の高低に関わらず、自分の生活に合ったサービスを組み合わせることが大切です。一人で抱え込まず、精神保健福祉士や相談支援専門員にご相談ください。適切な支援を受けながら、自分らしい生活を築く一歩を踏み出しましょう。
精神科への通院医療費を軽減する自立支援医療(精神通院)も、障害支援区分と組み合わせて活用できる制度です。
お住まいの地域で相談できる窓口
就労継続支援B型をはじめとする障害福祉サービスの相談先は、お住まいの市区町村にあります。遠方の事業所を探すより、まず地元の窓口に当たるのが近道です。
- 市区町村の障がい福祉担当窓口 — 受給者証の申請、制度全般の相談
- 相談支援事業所 — サービス等利用計画の作成、事業所探しの相談
- 基幹相談支援センター — 地域の相談支援の中核となる機関
- 都道府県の精神保健福祉センター — こころの健康に関する専門相談
「どこに聞けばいいか分からない」という場合は、お住まいの市区町村の代表番号に電話して「障害福祉サービスについて相談したい」とお伝えください。担当窓口につないでもらえます。
沖縄・埼玉にお住まいの方へ
NPO法人琉仁福祉会では、沖縄県沖縄市と埼玉県川口市で就労継続支援B型事業所を運営しています。見学やご相談をご希望の方は 琉仁福祉会の公式サイト をご覧ください。お問い合わせフォーム からもご連絡いただけます。

