双極性障害と就労継続支援B型|症状の波と向き合う支援を精神保健福祉士が解説

双極性障害のある方が「また再発したらどうしよう」「職場に迷惑をかけてしまう」と悩みを抱えるのは、とても自然なことです。精神保健福祉士として、私はこうした不安の声を毎日のように聞いてきました。

結論からお伝えします。双極性障害があっても、就労継続支援B型を活用することで、自分のペースで働く経験を積むことができます。

この記事では、双極性障害の特徴から就労課題、B型事業所での支援内容まで、精神保健福祉士の視点でわかりやすく解説します。

双極性障害とは?躁状態と抑うつを繰り返す脳の疾患

双極性障害は、気分が高揚して活動的になる「躁状態」と、意欲が低下する「抑うつ状態」を繰り返す精神疾患です。かつては「躁うつ病」とも呼ばれていました。

躁状態では睡眠が減っても元気に活動できる反面、判断力が低下して問題行動を起こしやすくなります。抑うつ状態では、うつ病と同様の症状が現れ、日常生活にも支障が出ます。

種類 躁状態の程度 主な特徴 就労への影響
双極Ⅰ型 重度の躁状態(躁エピソード) 入院が必要な場合もある 休職・退職リスクが高い
双極Ⅱ型 軽躁状態(ハイポマニア) 社会機能は比較的保たれる 波の把握と管理が重要

どちらの型でも、症状の「波」をコントロールすることが、就労継続のカギになります。

双極性障害のある方が就労で感じる3つの困難

精神保健福祉士として多くの方の就労相談を聞いてきた中で、双極性障害に特有の就労困難が見えてきました。

1. 症状の波による出勤の不安定さ
躁状態のときは意欲的に働けますが、その反動で抑うつ状態が深刻になることがあります。一般就労では欠勤や遅刻が続くと、職場での評価や人間関係に影響します。

2. 躁状態での過活動とミス
躁状態では「自分は大丈夫」という感覚が強まり、無理をしすぎてしまいます。その結果、仕事でのトラブルや対人関係の摩擦が生じることも少なくありません。

3. 病識の揺らぎと服薬継続の困難
「本当に病気なのか」「薬はもう飲まなくていいのでは」と感じる時期があります。服薬管理が不安定になると、症状が悪化するリスクが高まります。

就労継続支援B型が双極性障害のある方に向いている理由

双極性障害を抱える方にとって、就労継続支援B型は症状の波に合わせて働ける環境として有効です。

B型事業所の大きな特徴は、雇用契約を結ばずに就労訓練が受けられる点です。出勤日数や作業時間を柔軟に調整できるため、体調に応じたペースで継続できます。

  • 出勤日数を週1〜5日で自由に設定できる
  • 1日の作業時間を2〜6時間程度に調整できる
  • 支援員が体調や気分の変化に気づき、声かけしてくれる
  • 同じ障害を持つ仲間と一緒に作業する安心感がある
  • 服薬管理や生活リズムの整え方も一緒に考えられる

一般就労と異なり「失敗してはいけない」というプレッシャーが少なく、まず働く経験そのものを積む場として機能します。

就労継続支援B型の詳細については、就労継続支援B型とは|対象者・工賃・1日の流れをわかりやすく解説もご覧ください。

双極性障害の方が活用できる関連制度

B型事業所の利用と合わせて使える制度を整理しておきましょう。精神科への通院を安定させることが、双極性障害の症状管理に最も重要です。

自立支援医療(精神通院)を申請すると、通院にかかる医療費の自己負担が原則1割に軽減されます。継続通院が欠かせない方にとって、家計の負担を大きく減らせます。

精神障害者保健福祉手帳を取得することで、税の控除や交通費の割引など、生活面でのサポートを受けられます。手帳を持つことでB型事業所の利用申請もスムーズになります。

一定の障害程度が認められれば障害年金の受給も可能です。B型事業所の工賃との併用もできるため、生活基盤の安定につながります。

就労継続支援B型の利用開始までの流れ

初めてB型事業所を利用する方は、以下の手順で進めます。

  1. 相談支援専門員への相談:市区町村の相談窓口や計画相談支援の事業所に相談する
  2. サービス利用申請:市区町村の障害福祉担当窓口で申請を行う
  3. 受給者証の取得:審査を経て受給者証が交付される
  4. 事業所の見学・体験利用:複数の事業所を見学・体験して自分に合う場所を探す
  5. 利用開始:サービス等利用計画が作成されてから利用スタート

申請から利用開始まで、おおむね1〜2か月かかることが多いです。主治医の意見書も必要になるため、早めに動くことをおすすめします。

琉仁福祉会での就労継続支援B型の特徴

NPO法人琉仁福祉会(沖縄県沖縄市・埼玉県)では、双極性障害を含む精神障害のある方への就労継続支援B型を提供しています。

精神保健福祉士が常駐し、症状の波を一緒に観察しながら支援計画を立てます。「今日は調子が悪いかも」と感じたときにすぐ相談できる体制を整えており、無理なく長く続けられることを大切にしています。

  • 少人数のアットホームな環境で安心して作業できる
  • 服薬管理や生活リズムについても定期的に振り返りの機会を設ける
  • ご家族からのご相談にも対応

見学・体験利用は随時受け付けています。まずはお気軽にお問い合わせください。

よくある質問(FAQ)

Q1. 双極性障害でも就労継続支援B型を利用できますか?

はい、利用できます。双極性障害は精神障害に分類されるため、精神障害者保健福祉手帳をお持ちの方や自立支援医療を受給されている方は申請対象です。まずは市区町村の障害福祉窓口または相談支援事業所にご相談ください。

Q2. 躁状態のときは通所を休んだ方がいいですか?

軽度の場合は、支援員と相談しながら短時間の作業に切り替える方法もあります。症状が強い場合は主治医の指示に従い休養を優先してください。医療的な判断については必ず主治医にご相談ください。

Q3. 工賃はどのくらいもらえますか?

事業所や作業内容によって異なりますが、全国平均は月額約17,000円程度です。障害年金と組み合わせることで生活費の一部を賄える方も多くいます。詳しくはB型工賃の平均はいくら?もご覧ください。

Q4. 家族が双極性障害です。本人に代わって相談できますか?

はい、ご家族からのご相談も承っております。本人の同意が得られれば、より詳しい支援内容をご案内できます。まずはお気軽にご連絡ください。

まとめ:双極性障害と向き合いながら働くために

双極性障害は症状の波があるため、就労の継続が難しいと感じる方も多いです。しかし、就労継続支援B型のような福祉サービスを活用することで、自分のペースで働く経験を積むことができます。

精神保健福祉士として強調したいのは、「完璧に働こうとしなくていい」ということです。症状と向き合いながら、少しずつ生活リズムを整えていくことが回復への近道です。

琉仁福祉会では、双極性障害のある方の就労相談を随時受け付けています。一人で抱え込まず、まずはお気軽にご連絡ください。