特別障害者手当とは|対象者・3つの要件と申請手続きを精神保健福祉士が解説

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特別障害者手当は、重度の障害があり日常生活で常時特別な介護を必要とする20歳以上の方に、国から支給される手当です。障害年金や各種の障害福祉サービスと並んで、在宅で暮らす重度障害者とその家族の生活を経済的に支える制度のひとつですが、対象者の要件が細かく、申請しても認定されないケースもあります。この記事では、特別障害者手当の対象者・申請方法・障害年金との違いを、精神保健福祉士として日々ご家族からの相談を受けている立場から分かりやすく解説します。

この記事で分かること

  • 特別障害者手当を受け取れる対象者の3つの要件
  • 申請から支給までの流れと必要書類
  • 障害年金・特別児童扶養手当との違いと併用の可否

結論からお伝えすると、特別障害者手当は「20歳以上」「在宅で生活している」「日常生活で常時の特別な介護が必要なほど重度の障害がある」という3つの要件をすべて満たす方が対象です。所得制限があるほか、施設入所中や長期入院中の方は対象外になります。申請は障害の種類にかかわらず市区町村の窓口で行い、所定の診断書をもとに認定の可否が判断されます。

特別障害者手当とは

特別障害者手当は、特別児童扶養手当等の支給に関する法律にもとづく手当で、精神・身体を問わず重度の障害により日常生活で常時特別な介護を必要とする20歳以上の方の負担を軽減する目的で支給されます。障害者手帳の等級だけで自動的に認定されるものではなく、日常生活動作(食事・排せつ・入浴など)にどの程度の介護が必要かを独自の認定基準にもとづいて審査する点が特徴です。

精神障害の分野では、精神障害者保健福祉手帳の1級を持つ方の一部が対象になり得ますが、手帳の等級と特別障害者手当の認定基準は完全には一致しません。手帳については精神障害者保健福祉手帳とはの記事もあわせてご確認ください。

特別障害者手当の対象者となる3つの要件

特別障害者手当の対象者は、次の3つの要件をすべて満たす方です。

  1. 年齢要件:20歳以上であること
  2. 重度障害要件:所定の障害程度基準に該当し、日常生活において常時特別な介護を必要とする状態であること
  3. 在宅要件:自宅で生活しており、障害者支援施設などに入所していない、または病院に継続して3か月を超えて入院していないこと

このほか、本人および配偶者・扶養義務者の所得が一定額を超える場合は、所得制限により支給が停止されます。所得制限の具体的な金額は年度によって見直されるため、正確な数字はお住まいの市区町村の障害福祉担当窓口でご確認ください。

特別障害者手当の支給額はいくら?

特別障害者手当は月額で支給される手当ですが、支給額は物価の変動などに応じて毎年度改定されるため、この記事では具体的な金額の明記を避けます。最新の支給額は、お住まいの市区町村の窓口または厚生労働省の案内で必ずご確認ください。

支給の時期については、多くの自治体で2月・5月・8月・11月の年4回、前月分までがまとめて振り込まれる運用が一般的です。振込のタイミングも自治体によって細かな違いがあるため、申請時に窓口で確認しておくと安心です。

特別障害者手当の申請方法|必要書類と3つのステップ

特別障害者手当の申請は、お住まいの市区町村の障害福祉担当窓口(福祉事務所を含む)で行います。おおまかな流れは次のとおりです。

  1. 窓口へ相談・申請書一式を受け取る:市区町村の障害福祉担当窓口で、特別障害者手当の申請について相談し、申請書類一式を受け取ります。
  2. 所定様式の診断書を医師に作成してもらう:特別障害者手当専用の診断書様式があり、日常生活動作の介護の必要性について主治医に記入してもらう必要があります。
  3. 必要書類をそろえて窓口に提出する:診断書のほか、下表の書類をそろえて提出し、審査結果を待ちます。
主な必要書類 内容
特別障害者手当認定診断書 所定様式。主治医が日常生活動作の状態を記入
所得状況届出書 本人・配偶者・扶養義務者の所得を確認するための書類
本人確認書類 マイナンバーカードなど
預金通帳の写し 手当の振込先口座の確認用
障害者手帳(お持ちの場合) 精神障害者保健福祉手帳・身体障害者手帳・療育手帳など

診断書の作成には日数がかかることが多いため、申請を考え始めた時点で早めに主治医へ相談しておくとスムーズです。

特別障害者手当と障害年金・特別児童扶養手当の違い

特別障害者手当と混同されやすい制度に、障害年金と特別児童扶養手当があります。それぞれ対象年齢や財源、認定の考え方が異なります。

制度名 対象年齢 主な違い
特別障害者手当 20歳以上 在宅で常時特別な介護が必要な重度障害者向け。所得制限あり
障害年金 原則20歳以上(初診日要件あり) 保険料の納付要件などにもとづく年金制度。就労の有無だけで支給停止にはならない
特別児童扶養手当 20歳未満の児童を養育する家庭 障害のある子どもを育てる保護者に対して支給される

障害年金は特別障害者手当と要件が異なる別制度のため、要件を満たせば併給できる場合があります。詳しい仕組みは厚生労働省 障害年金のご案内でも確認できますが、併給の可否はケースごとに異なるため窓口での確認をおすすめします。

特別障害者手当が支給されないケース

次のような場合は、特別障害者手当の対象外となったり、支給が停止されたりします。

  • 障害者支援施設やグループホームなど、施設サービスを提供する施設に入所している場合
  • 病院や診療所に継続して3か月を超えて入院している場合
  • 本人または配偶者・扶養義務者の所得が所得制限額を超えている場合
  • 障害の程度が、特別障害者手当の認定基準に定める「常時特別の介護を必要とする状態」に該当しないと判断された場合

就労継続支援B型事業所を利用しながら在宅で生活している方の多くは施設入所には該当しませんが、認定基準への該当性は個別の審査によって判断されるため、申請前に窓口で状況を伝えたうえで相談することをおすすめします。

特別障害者手当の更新(所得制限と現況届)

特別障害者手当は一度認定されれば終わりではなく、毎年8月頃に「現況届」を提出する必要があります。現況届では、前年の所得状況や障害の状態に変化がないかが確認され、提出を怠ると支給が差し止められることがあります。

また、所得制限は毎年度見直される場合があるため、扶養状況や世帯構成が変わったときは早めに窓口へ相談しておくと、支給停止などのトラブルを防ぎやすくなります。

就労継続支援B型事業所と特別障害者手当の関係

就労継続支援B型は、就労継続支援B型とはでも解説しているとおり、雇用契約を結ばずに自分のペースで作業に取り組める障害福祉サービスです。特別障害者手当の対象となるほど重度の障害がある方でも、体調に合わせた短時間の作業から利用を始められるケースがあります。

経済的な支援制度と、日中活動の場である就労継続支援B型を組み合わせることで、在宅生活を続けながら社会とのつながりを持つ選択肢も生まれます。障害福祉サービスの全体像もあわせてご確認ください。

よくある質問

Q. 特別障害者手当は障害年金と一緒にもらえますか?

A. 特別障害者手当と障害年金は制度の要件が異なるため、それぞれの要件を満たせば併給できる場合があります。ただし所得状況などによって結果が変わるため、市区町村の窓口で個別に確認することをおすすめします。

Q. 特別障害者手当の所得制限はどのくらいですか?

A. 所得制限額は毎年度見直される可能性があり、扶養親族の人数によっても基準が変わります。正確な金額はお住まいの市区町村の窓口でご確認ください。

Q. 施設に入所していても特別障害者手当はもらえますか?

A. 障害者支援施設などに入所している場合や、病院に継続して3か月を超えて入院している場合は、原則として対象外となります。在宅での生活が前提の手当です。

Q. 特別障害者手当はいつから支給されますか?

A. 認定されると、申請した月の翌月分から支給対象となるのが一般的です。多くの自治体では2月・5月・8月・11月の年4回にまとめて振り込まれます。

Q. 特別障害者手当の対象にならないのはどんな場合ですか?

A. 20歳未満の場合や、障害の程度が認定基準に定める「常時特別の介護を必要とする状態」に該当しないと判断された場合は対象外です。判断に迷う場合は、まず窓口で相談してみることをおすすめします。

琉仁福祉会からのご案内

NPO法人琉仁福祉会は、沖縄県沖縄市と埼玉県で就労継続支援B型事業所を運営しています。精神障害や発達障害のある方が、自分のペースで作業に取り組みながら、日中の居場所や仲間とのつながりを持てる環境づくりを大切にしています。

特別障害者手当をはじめとする経済的な支援制度と、日中活動の場をどう組み合わせていくかは、お一人おひとりの状況によって異なります。制度の使い方や事業所での過ごし方について気になることがあれば、お気軽にご相談ください。

まとめ

特別障害者手当は、20歳以上で在宅生活を送る重度障害者の日常生活を支えるための手当です。年齢・重度障害・在宅という3つの要件を満たし、所定の診断書をもとにした認定を受ける必要があり、所得制限や施設入所の状況によっては対象外になることもあります。障害年金や特別児童扶養手当とは異なる制度であるため、混同せずにそれぞれの要件を確認することが大切です。申請を検討する際は、早めに主治医や市区町村の窓口に相談し、必要な書類をそろえていきましょう。