行動援護とは|対象者3区分と移動支援との違いを精神保健福祉士がわかりやすく解説

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行動援護は、知的障害や自閉症などにより行動に著しい困難がある方が、安全に外出できるよう専門の支援員が付き添う障害福祉サービスです。突然の飛び出しやパニックなど、行動上のリスクに対応できる点が大きな特徴です。「行動援護」という言葉を聞いたことはあっても、対象になる条件や、似ているサービスである移動支援との違いが分かりにくいと感じる方は少なくありません。この記事では、行動援護の対象者・利用条件・費用・申請の流れを、精神保健福祉士として日々ご本人やご家族の相談を受けている立場から解説します。

この記事で分かること

  • 行動援護を利用できる対象者の条件
  • 行動援護と移動支援の違い
  • 申請から利用開始までの流れと費用の目安

結論からお伝えすると、行動援護は「障害支援区分3以上」であり、かつ行動関連項目の基準を満たす方が対象となるサービスです。危険を予測した予防的な対応まで含めて支援を受けられる点が、移動支援との大きな違いです。

行動援護とは|サービスの概要

行動援護は、障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスの一つです。知的障害や精神障害(自閉スペクトラム症を含む発達障害)により、行動する際に著しい困難があり、常時の見守りが必要な方を対象に、外出時の危険回避や移動の介助を行います。制度の詳しい内容は、厚生労働省の障害福祉サービス案内ページでも確認できます。

単なる外出の付き添いではなく、強度行動障害と呼ばれる状態がある方でも安心して地域生活を送れるよう、専門的な研修を受けた支援員が対応することが特徴です。

行動援護の対象者は?障害支援区分と行動関連項目

行動援護を利用するには、原則として障害支援区分3以上の認定を受けていることが条件になります。加えて、行動関連項目という調査項目の合計点数が一定の基準を超えている必要があります。児童の場合は、区分認定に相当する基準で判断されます。

強度行動障害がある方や、自閉スペクトラム症・知的障害により外出時に予測できない行動が見られる方が、主な対象として想定されています。ご自身やご家族が対象になるかどうかは、まずお住まいの市区町村の窓口でご確認ください。

行動援護と移動支援の違い

行動援護とよく似たサービスに移動支援があります。移動支援は市区町村が実施する地域生活支援事業で、自治体ごとに対象者や利用条件が異なります。一方、行動援護は障害者総合支援法に基づく全国一律の障害福祉サービスで、危険の予測や回避を含む専門的な支援が前提になっている点が異なります。

項目 行動援護 移動支援
根拠制度 障害者総合支援法(全国一律) 市区町村の地域生活支援事業
対象者 障害支援区分3以上+行動関連項目該当 自治体が個別に設定
支援内容 危険回避を含む専門的な外出支援 主に外出時の移動介助
利用料 原則1割負担+所得に応じた上限額 自治体により異なる
申込窓口 市区町村の障害福祉担当課 市区町村の障害福祉担当課

行動援護でできること・できないこと

行動援護では、外出時の見守りや、危険な状況を避けるための声かけ・誘導、移動中に必要な介助などを受けられます。プールや買い物、通院などの外出に付き添ってもらえるケースもあります。

一方で、日常的な家事援助や、決まった時間の通勤・通学の送迎などは対象外とされることが多く、実際に何が利用できるかは事業所や自治体によって扱いが異なります。契約前に、利用目的を具体的に伝えて確認しておくと安心です。

行動援護の申請から利用開始までの流れ

行動援護を利用するまでの大まかな流れは、次のとおりです。

  1. 市区町村の障害福祉担当窓口に相談する
  2. 相談支援専門員に依頼し、サービス等利用計画案を作成する
  3. 障害支援区分の認定調査を受ける
  4. 支給決定を受け、受給者証の交付を受ける
  5. 行動援護を提供する事業所と契約し、利用を開始する

サービス等利用計画の作成にあたっては、相談支援専門員のサポートを受けられます。一人で手続きを進めるのが不安な場合は、早めに相談することをおすすめします。

行動援護の利用料はどれくらい?

行動援護の利用料は、障害福祉サービス全体の原則にしたがい、世帯の所得区分に応じた上限額の範囲内で、原則1割程度の自己負担となります。正確な金額や上限額の区分は世帯構成によって異なるため、お住まいの自治体の窓口で確認することをおすすめします。

行動援護ヘルパーになるには

行動援護の支援員として働くには、「行動援護従業者養成研修」を修了していることが基本的な要件です。研修では、強度行動障害の理解や、危険を予測した支援方法などを学びます。訪問系サービスの中でも専門性が求められる仕事といえます。

よくある質問

Q. 行動援護は誰でも利用できますか?

A. 行動援護は、障害支援区分3以上で行動関連項目の基準を満たす方が対象です。区分の認定を受けていない場合は、まず市区町村の窓口にご相談ください。

Q. 行動援護と移動支援はどちらを使えばいいですか?

A. 危険回避や専門的な見守りが必要な場合は行動援護、日常的な外出支援が中心の場合は移動支援が向いていることが多いです。どちらが適しているかは、相談支援専門員やお住まいの自治体にご確認ください。

Q. 行動援護の利用料はいくらですか?

A. 世帯の所得に応じた上限額の範囲内で、原則1割程度の自己負担となるのが一般的です。正確な金額はお住まいの自治体の窓口でご確認ください。

Q. 行動援護はどこに申し込めばいいですか?

A. お住まいの市区町村の障害福祉担当窓口が申請先です。相談支援専門員がいる場合は、まず相談してみることをおすすめします。

Q. 行動援護は宿泊を伴う外出にも使えますか?

A. 制度上は外泊を伴う支援が想定される場合もありますが、実際に利用できるかは自治体の判断や事業所の体制によって異なります。事前に担当窓口や事業所へご確認ください。

行動援護以外にも相談できる場所があります

NPO法人琉仁福祉会は、沖縄県沖縄市と埼玉県で就労継続支援B型を運営しており、精神障害・発達障害・知的障害のある方の日中活動や就労の支援を行っています。行動援護そのものは提供していませんが、外出や生活全般に不安のある方から、日頃の生活や将来の働き方についてのご相談を受けることもあります。

理事長の田中圭周は精神保健福祉士として、ご本人やご家族からの相談に対応しています。行動援護の利用を検討する中で、日中の過ごし方や就労についても気になる方は、お気軽にお問い合わせください。

まとめ

行動援護は、知的障害や自閉スペクトラム症などにより行動に著しい困難がある方が、安心して外出できるよう支援する障害福祉サービスです。障害支援区分3以上であることや、行動関連項目の基準を満たすことが対象の条件となり、移動支援とは支援の根拠や内容が異なります。利用を検討する際は、まずお住まいの市区町村の窓口や相談支援専門員に相談し、ご本人に合った支援を確認していくことが大切です。