措置入院とは|対象となる3つの条件・手続きの流れ・退院後の支援を精神保健福祉士が解説

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措置入院とは、精神障害のために自分を傷つけたり他人に害を及ぼしたりするおそれがある場合に、都道府県知事などの権限で行われる入院のことです。ニュースで耳にして不安になる方も多い制度ですが、仕組みを知っておくと慌てずに対応できます。

精神保健福祉士として、現場で相談を受けてきた立場から、できるだけ分かりやすく整理します。なお、個別の判断は医療機関や行政が行うため、実際の対応は必ず専門機関にご相談ください。

この記事で分かること

  • 措置入院の意味と、対象となる3つの条件
  • 通報から入院、解除までの流れと費用の考え方
  • 退院後の支援と、ご家族・ご本人の相談先

結論:措置入院は「本人と周囲の安全を守る」ための公的な入院制度

措置入院は、精神保健福祉法に基づく入院形態のひとつです。本人の同意がなくても行われる点が大きな特徴です。

一方で、入院はゴールではありません。症状が落ち着けば解除され、地域での生活や就労に向けた支援へとつながっていきます。

措置入院とは?対象となる3つの条件

措置入院の対象になるのは、次の3つの条件がそろった場合とされています。

  1. 精神障害があると診断される:精神保健指定医の診察により、精神障害者と判断されること
  2. 自傷他害のおそれがある:自分を傷つける、または他人に害を及ぼすおそれが著しいこと
  3. 入院が必要と認められる:入院させなければ、そのおそれが改善しないと判断されること

診察は、原則として2名以上の精神保健指定医が行い、判断が一致した場合に措置入院となります。診断名だけで決まるものではありません。

措置入院になるまでの流れは?5つのステップ

一般的な流れは次のとおりです。地域によって運用が異なる部分もあるため、詳細はお住まいの自治体にご確認ください。

  1. 通報・届出:警察官や検察官、保護観察所の長、矯正施設の長などから都道府県知事に通報や届出が行われる。一般の方も、都道府県などに申請できる
  2. 調査:都道府県などが、本人の状況や周囲の様子を調べる
  3. 診察:精神保健指定医が診察し、入院の必要性を判断する
  4. 入院措置の決定:診察結果をもとに、都道府県知事(政令指定都市では市長)が入院を決める
  5. 指定病院などへの入院:国や自治体が指定した病院に入院する

状況が差し迫っている場合は、指定医1名の診察で、72時間に限り入院させる「緊急措置入院」が行われることもあります。

措置入院と医療保護入院の違いは?比較表で確認

精神科の入院には、措置入院のほかにもいくつかの形態があります。違いを表にまとめました。

入院形態 本人の同意 決める人 主なポイント
任意入院 必要 本人と医師 本人の意思による入院
医療保護入院 不要 家族等の同意と指定医 家族等の同意を前提に行う
措置入院 不要 都道府県知事など 自傷他害のおそれがある場合に行う公的な入院
緊急措置入院 不要 都道府県知事など 急を要する場合に72時間に限り行う

それぞれの入院形態と権利については、精神科入院の種類と入院中の権利で、また法律の全体像は精神保健福祉法の入院形態と改正のポイントで詳しく解説しています。

措置入院の期間はどのくらい?解除はいつ?

措置入院には、あらかじめ決められた期間の上限があるわけではありません。入院を続ける必要があるかどうかは、医師が症状を診ながら継続的に確認します。

自傷他害のおそれがなくなったと判断されると、措置が解除されます。その後は、本人の同意による任意入院や、医療保護入院に切り替わることもあれば、そのまま退院に至ることもあります。

措置入院の費用は?自己負担の考え方

措置入院の医療費は、公費で負担される仕組みが基本とされています。ただし、所得などに応じて自己負担が生じる場合があるなど、自治体ごとの扱いも関わってきます。

具体的な金額は、ここでは断定できません。お住まいの自治体の窓口や、入院先の相談員にご確認ください。

措置入院の退院後はどうなる?地域での支援

退院後に大切なのは、孤立せずに支援とつながり続けることです。自治体が中心となり、退院後の生活を支える「退院後支援」の仕組みが整えられてきました。

  • 通院や服薬を続けるための外来受診・訪問看護
  • 精神保健福祉センターや保健所による相談
  • 相談支援専門員による障害福祉サービスの調整
  • 日中の居場所づくりや、就労に向けた訓練

利用できる制度は、障害福祉サービスの全体像を厚生労働省の障害福祉サービスの解説ページで確認できます。

よくある質問

Q. 措置入院になると、本人の同意は必要ですか?

A. 措置入院では、本人の同意がなくても入院となる場合があります。そのぶん、2名以上の精神保健指定医による診察など、手続きは法律で定められています。入院中の権利についても、病院に確認できます。

Q. 措置入院の条件は、診断名で決まりますか?

A. 診断名だけで決まるわけではありません。精神障害があることに加えて、自傷他害のおそれがあるかどうかが重視されます。判断は医師や行政が行いますので、不安な場合は専門機関にご相談ください。

Q. 家族が「入院させたい」と思ったとき、どこに相談すればよいですか?

A. まずは、お住まいの地域の精神保健福祉センターや保健所、かかりつけの医療機関にご相談ください。緊急性が高く、命に関わる危険があるときは、迷わず110番や119番に連絡してください。

Q. 措置入院を経験した後でも、働くことはできますか?

A. 回復の状況に合わせて、働くことを目指せる方は多くいらっしゃいます。無理のないペースで始められる福祉サービスもあります。主治医や相談支援専門員と相談しながら、焦らず検討してみてください。

琉仁福祉会にご相談ください

NPO法人琉仁福祉会は、沖縄県沖縄市と埼玉県で就労継続支援B型を運営しています。入院や治療を経て、「また社会とつながりたい」という方のご相談も受け付けています。

精神保健福祉士が、ご本人とご家族の気持ちを大切にしながら、見学や体験利用のご案内をいたします。まずはお気軽にお問い合わせください。

まとめ:措置入院は仕組みを知り、早めに相談することが大切

措置入院は、自傷他害のおそれがある場合に、都道府県知事などの判断で行われる公的な入院です。対象の条件、流れ、退院後の支援を知っておくと、いざというときに落ち着いて動けます。

制度の運用は地域によって異なります。気になることがあれば、お住まいの自治体の窓口や専門機関にご相談ください。

お住まいの地域で相談できる窓口

就労継続支援B型をはじめとする障害福祉サービスの相談先は、お住まいの市区町村にあります。遠方の事業所を探すより、まず地元の窓口に当たるのが近道です。

  • 市区町村の障がい福祉担当窓口 — 受給者証の申請、制度全般の相談
  • 相談支援事業所 — サービス等利用計画の作成、事業所探しの相談
  • 基幹相談支援センター — 地域の相談支援の中核となる機関
  • 都道府県の精神保健福祉センター — こころの健康に関する専門相談

「どこに聞けばいいか分からない」という場合は、お住まいの市区町村の代表番号に電話して「障害福祉サービスについて相談したい」とお伝えください。担当窓口につないでもらえます。

沖縄にお住まいの方へ

NPO法人琉仁福祉会では、沖縄県沖縄市で就労継続支援B型事業所を運営しています。見学やご相談をご希望の方は 琉仁福祉会の公式サイト をご覧ください。お問い合わせフォーム からもご連絡いただけます。