生活困窮者支援とは|4つの支援事業と相談窓口の使い方を精神保健福祉士が解説

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「収入が減って生活が苦しいが、生活保護を受けるほどではないかもしれない」——そんなときに頼りになるのが生活困窮者支援です。生活困窮者支援は、経済的に困っている方の暮らしと就労を幅広く支える公的な制度です。

この記事では、就労継続支援B型事業所の現場で相談を受けてきた精神保健福祉士の立場から、生活困窮者支援の仕組みと利用の流れを分かりやすく解説します。

この記事で分かること

  • 生活困窮者支援で受けられる4つの支援事業
  • 相談窓口の探し方と利用の流れ
  • 生活保護との違いと使い分けの考え方

結論から言うと、生活困窮者支援は「生活保護になる前の段階」で幅広く相談できる仕組みです。収入や資産の要件で生活保護を受けられるか分からない場合でも、まずは自立相談支援機関に相談してみることができます。

生活困窮者支援とは

生活困窮者支援とは、生活困窮者自立支援法に基づき、経済的な困窮や社会的な孤立などにより生活に困っている方を早期に支える公的な制度です。福祉事務所を設置する自治体が、自立相談支援機関を窓口として、相談者一人ひとりの状況に応じた支援プランを作成します。

精神障害やその他の事情で就労が不安定になり、収入面で悩んでいる方にとっても、幅広い相談先の一つとなる制度です。

生活困窮者支援で受けられる支援事業は?

生活困窮者支援には、主に次の4つの事業があります。

事業名 内容
自立相談支援事業 相談を受け、一人ひとりに合った支援プランを作成する総合相談窓口
住居確保給付金 離職などで住居を失うおそれがある方に、一定期間家賃相当額を支給
就労準備支援事業 就労経験が少ない方などを対象に、生活習慣の改善から就労体験まで段階的に支援
家計改善支援事業 家計の状況を「見える化」し、専門の相談員が家計の立て直しを助言

このほか、住まいのない方を対象とした一時生活支援事業なども、自治体によって実施されています。すべての事業がどの自治体でも同じ内容で実施されているとは限らないため、利用できる事業はお住まいの窓口で確認する必要があります。

生活困窮者支援の対象者は?

生活困窮者支援の対象は、現に経済的に困窮し、最低限度の生活を維持することができなくなるおそれのある方です。年齢や障害の有無にかかわらず相談でき、精神障害者保健福祉手帳をお持ちの方も利用できます。手帳については精神障害者保健福祉手帳とはの記事もご参照ください。

生活困窮者支援の相談窓口の使い方は?

生活困窮者支援を利用する流れは、次のとおりです。

  1. 相談:お住まいの自治体の自立相談支援機関(福祉事務所や委託先の相談窓口)に連絡し、現在の生活状況を相談します。
  2. アセスメント・プラン作成:相談員が状況を整理し、本人と一緒に自立に向けた支援プランを作成します。
  3. 支援の実施:プランに沿って、住居確保給付金や就労準備支援事業など、必要な支援につないでいきます。

一人で悩まず、まずは相談すること自体が支援のスタートになります。就労継続支援B型など福祉的就労を組み合わせて生活を立て直すケースも少なくありません。B型事業所については就労継続支援B型とはの記事で詳しく解説しています。

生活困窮者支援と生活保護は何が違う?

生活保護は、最低限度の生活を保障するための最後のセーフティネットとして、収入や資産などの要件を満たした方に生活費そのものを支給する制度です。一方、生活困窮者支援は、生活保護に至る前の段階で、相談や就労準備、家計改善など「自立に向けた支援」を中心に行う制度という違いがあります。

どちらが適しているか判断が難しい場合も、自立相談支援機関の窓口で状況を伝えれば、生活保護の申請窓口につないでもらうことも可能です。

生活困窮者支援のデメリット・注意点

生活困窮者支援を利用する際は、次の点にも留意しておきましょう。

  • 住居確保給付金など一部の支援には支給期間の上限があること
  • 実施している事業の内容が自治体によって異なること
  • 支援を受けるには、原則として本人からの相談・申請が必要であること

制度の詳細な要件や金額は改正されることもあるため、最新の情報は窓口で確認することが大切です。

よくある質問

Q. 生活困窮者支援はどこに相談すればいいですか?

A. お住まいの自治体が設置する自立相談支援機関が窓口です。福祉事務所や社会福祉協議会などに委託されている場合もあるため、市区町村のホームページで確認してみてください。

Q. 精神障害があっても生活困窮者支援を利用できますか?

A. 利用できます。精神障害の有無にかかわらず、生活に困っている状況であれば相談の対象になります。体調に配慮した支援プランを一緒に考えてもらうことも可能です。

Q. 生活困窮者支援と生活保護は同時に利用できますか?

A. 状況によって異なります。相談の結果、生活保護の申請が必要と判断されることもあれば、生活困窮者支援の各事業を組み合わせて生活を立て直していく場合もあります。

Q. 住居確保給付金はどんな人が対象になりますか?

A. 離職や収入の減少により住居を失った、または失うおそれのある方が対象です。支給期間や金額など詳しい条件は窓口でご確認ください。

Q. 就労準備支援事業と就労継続支援B型はどう違いますか?

A. 就労準備支援事業は生活困窮者自立支援法に基づき、生活習慣の改善から就労体験までを段階的に行う事業です。就労継続支援B型は障害者総合支援法に基づく福祉的就労の場という違いがあります。状況に応じてどちらか、または両方を組み合わせて利用することもあります。

働く場のご相談も承っています

NPO法人琉仁福祉会では、沖縄県沖縄市と埼玉県で就労継続支援B型事業所を運営しています。生活の立て直しとあわせて「自分のペースで働ける場所」を探している方のご相談にも、精神保健福祉士が対応しています。生活困窮者支援の窓口と並行して、ぜひお気軽にご相談ください。

まとめ

生活困窮者支援は、自立相談支援事業・住居確保給付金・就労準備支援事業・家計改善支援事業など、生活保護に至る前の段階で幅広く相談できる公的な制度です。まずはお住まいの自立相談支援機関に相談することから始まります。関連する福祉制度についてはWAM NET(福祉医療機構)でも情報を確認できますので、あわせてご活用ください。

お住まいの地域で相談できる窓口

就労継続支援B型をはじめとする障害福祉サービスの相談先は、お住まいの市区町村にあります。遠方の事業所を探すより、まず地元の窓口に当たるのが近道です。

  • 市区町村の障がい福祉担当窓口 — 受給者証の申請、制度全般の相談
  • 相談支援事業所 — サービス等利用計画の作成、事業所探しの相談
  • 基幹相談支援センター — 地域の相談支援の中核となる機関
  • 都道府県の精神保健福祉センター — こころの健康に関する専門相談

「どこに聞けばいいか分からない」という場合は、お住まいの市区町村の代表番号に電話して「障害福祉サービスについて相談したい」とお伝えください。担当窓口につないでもらえます。

沖縄・埼玉にお住まいの方へ

NPO法人琉仁福祉会では、沖縄県沖縄市と埼玉県川口市で就労継続支援B型事業所を運営しています。見学やご相談をご希望の方は 琉仁福祉会の公式サイト をご覧ください。お問い合わせフォーム からもご連絡いただけます。