「就労継続支援B型と就労移行支援、どちらが自分に合うかわからない」というご相談をよくいただきます。結論からお伝えすると、今すぐ一般就労を目指す方は就労移行支援、働く準備期間が必要な方や継続して働ける場が欲しい方はB型が適しています。
この記事では、現役の精神保健福祉士の視点から、両サービスの違いを5つの観点で比較します。利用条件・期間・工賃の仕組みから、向いている人の特徴、利用までの流れまで、はじめての方にもわかるよう丁寧に解説します。
就労継続支援B型と就労移行支援の違い【一覧表】
まず両サービスの主な違いを表で整理します。
| 比較項目 | 就労継続支援B型 | 就労移行支援 |
|---|---|---|
| 目的 | 働く場の提供 | 一般就労への移行 |
| 雇用契約 | なし | なし |
| 工賃/賃金 | あり(月平均17,000円前後) | 原則なし |
| 利用期間 | 制限なし | 原則2年 |
| 対象年齢 | 制限なし | 原則18〜65歳未満 |
| 主な活動 | 軽作業・内職・農作業など | 職業訓練・職場実習・就職活動支援 |
| 通所頻度 | 週1〜5日(柔軟) | 週4〜5日が目安 |
「働きながら収入を得たい」のか「就職に向けた訓練を受けたい」のかが、選択の最大の分かれ目です。
就労継続支援B型とは
就労継続支援B型は、一般企業での就労が難しい方が、自分のペースで働ける障害福祉サービスです。雇用契約を結ばないため、体調や障害特性に合わせて無理なく通えます。
利用期間に制限がなく、何年でも継続して通所できるのが大きな特徴です。詳しくは就労継続支援B型とは|対象者・工賃・1日の流れを精神保健福祉士がわかりやすく解説で解説しています。
就労移行支援とは
就労移行支援は、一般企業への就職を目指す方が、職業訓練や就職活動のサポートを受けられるサービスです。期間は原則2年間と決められており、その間に就労に必要なスキル・体力・働く習慣を整えます。
主な支援内容は次のとおりです。
- ビジネスマナーやパソコンスキルの訓練
- コミュニケーション訓練(対人スキル向上)
- 企業実習(職場体験)
- 履歴書作成や面接練習などの就職活動支援
- 就職後の職場定着支援(原則6か月)
「就職したい気持ちはあるが、いきなり応募するのは不安」という方にフィットするサービスです。
5つの観点で徹底比較
1. 目的の違い
B型は「働く場そのもの」を提供します。長く通い続けることが前提です。
一方、移行支援は「就職への準備期間」と位置づけられます。2年以内に一般企業へ移行することを目標とします。
2. 利用期間の違い
B型に期間制限はありません。本人が希望する限り、何年でも利用できます。
移行支援は原則2年(必要に応じて1年延長可能)です。期間内に就職に結びつかなかった場合は、B型に切り替えるケースも多くあります。
3. 工賃/賃金の違い
B型では作業の成果に応じて工賃が支払われます。全国平均は月17,000円前後です。
移行支援は原則として工賃の支払いはありません。あくまで訓練の場という位置づけのためです。ただし生産活動を行う事業所では、わずかな工賃が出る場合もあります。
4. 通所頻度・時間の違い
B型は週1日から、1日数時間からの利用が可能で、体調に合わせた通所ができます。
移行支援は週4〜5日、1日4〜6時間程度の通所が標準です。就労を見据えた生活リズムづくりも訓練の一部と考えるためです。
5. 利用後のゴール
B型のゴールは「継続して通える場をもつこと」「社会との接点と工賃を得続けること」です。
移行支援のゴールは「就職してその職場に定着すること」です。就職後も6か月間の定着支援が提供されます。
どちらが向いているか【判断のヒント】
就労継続支援B型が向いている方
- 体調や障害特性により、決まった日数・時間の通所が難しい
- 一般就労はまだ難しいが、人と関わる場や役割が欲しい
- 過去にA型や一般就労を経験し、いまは無理のないペースで働きたい
- 50歳以上の方、または障害基礎年金1級を受給している方
- 期間を気にせず、自分のペースで長く通える場が欲しい
就労移行支援が向いている方
- 2年以内に一般企業への就職を目指したい
- ビジネスマナーやパソコンスキルなど、就労に必要な力を体系的に身につけたい
- 体調が安定しており、週4日以上の通所ができる
- 履歴書作成や面接練習などのサポートが欲しい
- 就職後の職場定着まで継続的に支援してほしい
迷ったときの相談先
判断に迷う場合は、お住まいの市区町村の障害福祉窓口または相談支援事業所に相談してください。本人の状況に応じて、適切なサービスを一緒に検討してもらえます。事業所の見学や体験利用もおすすめです。
利用までの流れ(共通)
B型・移行支援ともに、利用までの基本的な流れは同じです。
- 市区町村の障害福祉窓口に相談(または相談支援事業所に連絡)
- 就労アセスメントを就労移行支援事業所などで受ける
- 利用したい事業所を見学・体験利用
- 相談支援専門員と一緒にサービス等利用計画案を作成
- 市区町村から受給者証(障害福祉サービス受給者証)が交付
- 事業所と契約し、通所開始
申請から利用開始まで、おおむね1〜2か月かかります。「自分に合うサービスがわからない」という段階でも構いません。まずは窓口へ問い合わせてみてください。
よくある質問
B型と移行支援は併用できますか
原則として、同時期に併用することはできません。ただし、移行支援を利用して就職に結びつかなかった場合に、その後B型へ切り替えるケースは多くあります。
移行支援を2年使い切ったらどうなりますか
就職が決まらなかった場合は、B型や他のサービスへの移行を検討します。延長(1年)が認められるケースもあります。アセスメント結果と本人の希望によって判断されます。
B型から移行支援へ変更することはできますか
はい、できます。「B型で通所に慣れてきたので、次は就職を目指したい」という流れで移行支援へ変更する方も少なくありません。相談支援専門員と相談しながら手続きを進めます。
どちらも障害者手帳が必要ですか
必須ではありません。医師の診断や自治体の判断により、手帳がなくても利用できる場合があります。お住まいの自治体の窓口で確認してください。
琉仁福祉会の事業所について
NPO法人琉仁福祉会では、沖縄県沖縄市と埼玉県で就労継続支援B型事業所を運営しています。精神障害・発達障害のある方を中心に、お一人おひとりの体調や得意なことに合わせた支援を行っています。
- 見学・体験利用は随時受け付けています
- 「B型と移行支援、どちらがいいか」というご相談も歓迎です
- ご家族・支援者の方からのお問い合わせもお気軽にどうぞ
ご相談は無料です。お電話・お問い合わせフォームからご連絡ください。
まとめ
就労継続支援B型と就労移行支援は、目的・期間・工賃の有無に大きな違いがあります。
- B型 = 働く場そのもの。期間制限なし、工賃あり、柔軟な通所
- 移行支援 = 就職への準備期間。原則2年、工賃なし、週4〜5日の訓練
どちらを選ぶかは「いま、自分が必要としているのは何か」によって決まります。判断に迷うときは、ぜひ事業所の見学や体験利用、相談支援専門員への相談から始めてみてください。
琉仁福祉会では、利用を検討されているご本人・ご家族からのご相談をいつでもお待ちしています。
お住まいの地域で相談できる窓口
就労継続支援B型をはじめとする障害福祉サービスの相談先は、お住まいの市区町村にあります。遠方の事業所を探すより、まず地元の窓口に当たるのが近道です。
- 市区町村の障がい福祉担当窓口 — 受給者証の申請、制度全般の相談
- 相談支援事業所 — サービス等利用計画の作成、事業所探しの相談
- 基幹相談支援センター — 地域の相談支援の中核となる機関
- 都道府県の精神保健福祉センター — こころの健康に関する専門相談
「どこに聞けばいいか分からない」という場合は、お住まいの市区町村の代表番号に電話して「障害福祉サービスについて相談したい」とお伝えください。担当窓口につないでもらえます。
沖縄・埼玉にお住まいの方へ
NPO法人琉仁福祉会では、沖縄県沖縄市と埼玉県川口市で就労継続支援B型事業所を運営しています。見学やご相談をご希望の方は 琉仁福祉会の公式サイト をご覧ください。お問い合わせフォーム からもご連絡いただけます。

