てんかんと就労継続支援B型|発作対応・利用条件3つを精神保健福祉士が解説

てんかんを解説する記事のアイキャッチ画像

てんかんは、脳の神経細胞に一時的な異常な興奮が起こることで、発作を繰り返す病気です。発作への不安から、働き続けられるか悩む方も少なくありません。この記事では、てんかんの基本的な特徴を整理したうえで、就労継続支援B型を利用しながら働く方法について、精神保健福祉士として沖縄県・埼玉県でB型事業所を運営する立場から解説します。

  • てんかんの発作の種類と治療の基本
  • てんかんがあっても就労継続支援B型を利用できるかどうか
  • 発作に備えながら安心して働くために気をつけたい3つのポイント

結論から言うと、てんかんの診断を受けていても、発作の状況が把握できており、主治医の指示に沿った服薬管理ができていれば、就労継続支援B型を利用しながら働くことは十分可能です。利用の可否は医師の意見書や自治体の判断によるため、まずは主治医や相談支援専門員に相談しましょう。

てんかんとは|発作が繰り返し起こる病気

てんかんとは、脳の神経細胞が一時的に異常な電気信号を発することで、発作が繰り返し起こる病気です。発作の現れ方は人によって異なり、意識を失って全身がけいれんするタイプもあれば、一瞬意識が遠のく程度のタイプ、体の一部だけがぴくつくタイプなどさまざまです。子どもの病気というイメージを持たれることもありますが、大人になってから発症するケースも珍しくありません。発作のきっかけとなる要因は、睡眠不足や過労、飲酒、体調の変化などさまざまで、人によって異なります。

発作のタイプ 主な様子
全般発作 意識を失い、全身のけいれんを伴うことがあります
焦点発作 意識を保ったまま体の一部がけいれんしたり、一時的にぼんやりしたりすることがあります

発作の頻度や症状の程度には個人差があるため、上記はあくまで一般的な分類です。気になる症状がある場合は、自己判断せず医療機関にご相談ください。

てんかんの原因と治療にかかる期間

てんかんの原因は、脳の損傷や病気によるものと、はっきりした原因が分からないものに分かれます。治療では抗てんかん薬による発作のコントロールが中心となり、服薬を続けることで発作の頻度を抑えられる方も多いとされています。ただし治療にかかる期間や薬の種類は症状の経過によって大きく異なるため、具体的な見通しは主治医に確認することが大切です。通院や薬にかかる医療費については、自立支援医療(精神通院医療)の対象となる場合があります。詳しくは自立支援医療(精神通院)とはの記事もご覧ください。

てんかんがあっても就労継続支援B型は利用できる?

てんかんの診断を受けている方でも、発作の状況が把握できていれば就労継続支援B型を利用できるケースは多くあります。就労継続支援B型は、雇用契約を結ばずに自分の体調に合わせて作業に取り組める障害福祉サービスで、発作への不安がある方にも利用しやすい仕組みです。利用にあたっては、精神障害者保健福祉手帳がなくても、医師の診断書や意見書によって対象と認められる場合があります。手帳制度については精神障害者保健福祉手帳とはの記事で詳しく解説しています。就労継続支援B型全体の仕組みは就労継続支援B型とはをご参照ください。制度の根拠となる障害福祉サービスの全体像は、厚生労働省 障害福祉サービスについてもご確認ください。

就労継続支援B型で受けられる3つの支援

  1. 発作の状況を職員と共有しながら進める個別支援計画
  2. 体調や発作の様子に合わせて作業量や休憩を調整できる仕組み
  3. 工賃を得ながら生活リズムを整えるための日中活動の場

事業所によって支援内容や工賃の水準は異なるため、見学や体験利用を通じて自分に合った事業所を選ぶことをおすすめします。

てんかんの方が働くうえで気をつけたい3つのポイント

  1. 発作時の対応を共有しておく:発作が起きたときにどう対応してほしいかを事前に事業所のスタッフへ伝えておくと、安心して過ごせます。
  2. 服薬管理を続ける:自己判断で服薬を中断せず、体調の変化は早めに主治医へ伝えることが発作のコントロールにつながります。
  3. 生活リズムを整える:睡眠不足や過労は発作の誘因になることがあるとされているため、規則正しい生活を意識しましょう。

体調が不安定なときに一人で抱え込まず、相談支援専門員や事業所のスタッフ、家族など相談できる相手を確保しておくことも、安心して働き続けるうえで大切なポイントです。困ったときにすぐ相談できる関係を、日頃から少しずつ築いておきましょう。

よくある質問

Q. てんかんは治りますか?

A. てんかんは、抗てんかん薬による治療で発作をコントロールできる方が多い病気です。ただし経過には個人差があるため、「治る」かどうかを断定することはできません。主治医と相談しながら、長期的に付き合っていく視点を持つことが大切です。

Q. てんかんの発作が起きたとき、周りの人はどう対応すればよいですか?

A. 発作の種類によって対応は異なるため、事前に主治医から具体的な対応方法を確認しておくことが大切です。就労継続支援B型を利用する場合は、発作時の対応方法を事業所のスタッフとあらかじめ共有しておくと安心です。

Q. てんかんがあると運転免許は取得できませんか?

A. 発作の状況によって取り扱いが異なるため、一概にはお答えできません。運転免許に関する具体的な条件は、主治医や公安委員会にご確認ください。

Q. 就労継続支援B型の利用に精神障害者保健福祉手帳は必須ですか?

A. 手帳がなくても、医師の診断書や意見書があれば利用できる場合があります。利用条件の詳細はお住まいの自治体の窓口でご確認ください。

NPO法人琉仁福祉会では、沖縄県沖縄市と埼玉県で就労継続支援B型事業所を運営しています。てんかんをはじめ、さまざまな事情のある方おひとりおひとりの体調やペースに合わせた支援を行っていますので、体験利用や見学だけでも気軽にお問い合わせください。

まとめ

てんかんは発作を繰り返す病気ですが、服薬管理と発作時の対応を整えながら、就労継続支援B型を利用して自分のペースで働くことができます。生活リズムを整え、主治医や事業所のスタッフと連携しながら、無理のない一歩を踏み出してみてください。

お住まいの地域で相談できる窓口

就労継続支援B型をはじめとする障害福祉サービスの相談先は、お住まいの市区町村にあります。遠方の事業所を探すより、まず地元の窓口に当たるのが近道です。

  • 市区町村の障がい福祉担当窓口 — 受給者証の申請、制度全般の相談
  • 相談支援事業所 — サービス等利用計画の作成、事業所探しの相談
  • 基幹相談支援センター — 地域の相談支援の中核となる機関
  • 都道府県の精神保健福祉センター — こころの健康に関する専門相談

「どこに聞けばいいか分からない」という場合は、お住まいの市区町村の代表番号に電話して「障害福祉サービスについて相談したい」とお伝えください。担当窓口につないでもらえます。

沖縄にお住まいの方へ

NPO法人琉仁福祉会では、沖縄県沖縄市で就労継続支援B型事業所を運営しています。見学やご相談をご希望の方は 琉仁福祉会の公式サイト をご覧ください。お問い合わせフォーム からもご連絡いただけます。